相続税に関する特例のご紹介

文責:税理士 井川卓磨

最終更新日:2024年10月21日

1 配偶者の税額軽減特例

 相続税では、夫・妻などの配偶者は税額が大きく軽減される特例があり、それを配偶者の税額軽減特例といいます。

 具体的には、1億6000万円または相続財産の2分の1のいずれか大きい金額までは、配偶者は相続しても相続税がかかりません。

 かなり強力な特例ですが、戸籍上の配偶者でなければなりませんので、法的な結婚をしていなければ、利用することができない点には注意が必要です。

参考リンク:国税庁・配偶者の税額の軽減

2 小規模宅地等の特例

 相続によって、自宅を引き継ぐ場合や、貸付事業用の宅地等を引き継ぐ場合、それ以外の事業用の宅地等を引き継ぐ場合は、一定の面積まで、土地の評価額を減額することができる特例があり、これを小規模宅地等の特例といいます。

 具体的には、亡くなった方の居住用の宅地等を引き継ぐ場合は、330㎡まで、土地の価額を80%減額することができます。

 亡くなった方が貸付事業用の宅地等を引き継ぐ場合は、200㎡まで、土地の価額を50%減額することができます。

 亡くなった方が事業を行っており、その事業用の宅地等を引き継ぐ場合は、400㎡まで、土地の価額を80%減額することができます。

 小規模宅地等の特例は、土地の評価額を大幅に下げてくれる強力な特例ですが、利用するためには、誰が引き継ぐかということ以外にも、相続税の申告期限までに土地を売却した場合は特例が利用できなくなるなど、細かな要件が定められております。

 特例の利用を検討されている方は、税理士に相談することをおすすめします。

参考リンク:国税庁・相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

3 その他の特例

 未成年者が相続した場合は、未成年者控除が受けられます。

 相続人が障がい者の場合は、障がい者控除を受けることができます。

 一回目の相続から、2回目の相続までの間が10年以内の場合、相続税の負担が重くなりすぎないようにするために、相続税額を軽減する相次相続控除を受けられることがあります(参考リンク:国税庁・相次相続控除 )。

 また、亡くなった方が3年以内に贈与をしていた場合は、相続税の計算において加算されますが、贈与税額では控除することができるという特例もあります。

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